やめられる人間になれました――「『いつでもやめられる』ことこそ強者の特権」を読んで
はてなブログ読者の方には、社会派ブロガーちきりんさんをご存知の方も多いだろう。
私がちきりんさんの著作を読み始めたのは、遡ること五年前ーー大学二年生の時だった。
正直、初めて読んだのがブログだったのか著書だったのかは思い出せない。しかし、初めて彼女の文を読んだ時の衝撃は今も鮮明に覚えている。
地方生まれ地方育ち、地方国立大に進学した超ドメスティックな私にとって、彼女の言葉はどれも新鮮だった。彼女の存在を知った日から、「みんなと同じが一番いい」と信じてた(と言うより、その価値観を疑う発想がなかった)私は彼女の本とブログを浴びるように読んだ。彼女の作品を通して、私は自分と対話した。
中でも、「未来の働き方を考えよう」は就職を控えた私にとって心強い味方だった。
当時の私は、やってみたいことも自分に向いてることも分からず、就職活動を酷く恐れていた。
しかし、ちきりんさんの本を読んで、とりあえず働いてみて、その経験をもつて二回目の職業人生を考える、という選択肢を知った。
結果、私は新卒で入社した会社を三年足らずで辞めた。
辞めた一番の理由は、仕事が面白くなかったから。二つ目に、自分の理想となる姿(モデル)を社内で見つけられなかったから。三つ目に、全国転勤に耐えられなかったから。
過ぎ去ったことなので今更一つひとつを掘り下げはしないが、今こうしてはっきり退職理由を言語化出来る自分にほっとしている。
(本当はハラスメント系もあるけど割愛)
辞めるか続けるか迷ってる時は、上記の理由がごちゃ混ぜになって苦しかったものだ。
迷ったのに何だかんだ辞められたのは、そして辞めた後に全く後悔をしていないのは、ちきりんさんの本を思い出したからである。
職業人生は二回あるものと考える。
海外旅行だって、初めて行く土地ならパッケージ旅行を利用する人が多い。でも、二回目は一回目の経験を活かして自分でアレンジすることも可能だ。
それと同じで、人生において職業選択の機会は二度あると考える。
――そうだった、私は新卒の就活の時、とりあえず働いてから考えるって決めたんだった。
そして、考えて、決める時が到来したのだーーそう思い至った。
前職の経験が全て無駄だったという訳ではない。三年弱の間、様々な人と出会えたし、色んな場所に行けたし、沢山のチャンスも貰えたし、何より自分のやってみたいこと・やりたくないことがはっきりと分かった。
三年足らずで気付けたこと、そして辞める決断が出来たのは本当にラッキーだと思う。
あのまま続けていても、いたずらに年を重ねるだけだった。
ちきりんさんのお陰で、「大手企業に入ったのだから一生勤めなくてはならない」「転職するなら在職中がいい」みたいな「あるべき」から解放された。誰のためでもない、自分にとって幸せな人生を考えられるようになった。
退職後に就職活動を始めたが、無理に自分に合わない会社に入社しても二の舞だと思っているので、ゆっくり考えている。まあ、究極生き延びられたらいいので、どうにかなるだろう。
、、なんてことを考えているときに、ちきりんさんのエントリーが更新された。
すごくタイムリーな記事だったので、ついこうして筆を執った次第。
「辞めて正解だったんだよ」と会ったこともないちきりんさんに激励された気になった(勝手にすみません)。
ちきりんさん、届かないと思いますが、ありがとうございます。
P.S.改めてちきりんさんのブログを読み返すと、私は下記エントリーで言うところの左上に該当してました。
まさに、長続きしなかったです、ソコ。