成長出来る環境とは
「弊社は成長出来る環境です」と企業側が提示してきたときは注意が必要だ。
もれなく、
・残業バンバンあります
・無茶なノルマを課せられているので、プレッシャーが付き纏います
・教育体制が不十分で、各自の根性で補ってもらいます
……といったことを「成長出来る環境です」と言い替えてる場合があるからだ。
一方、求職者側の想像する成長出来る環境とはどのようなものか。
・残業は悪!生産性を重視する職場です
・各自の裁量に任せるスタイルです
・研修や資格取得支援制度を完備しています
取りあえず私がパッと思いついたものを挙げてみた。
お察しの通り
・残業⇔生産性
・ノルマを課せられている⇔裁量に任せる
・教育体制が不十分⇔研修や資格制度を完備
といった感じで、対になる。
「どのように成長したいか」と立ち止まって考えると、赤字のような成長を望む人は多くないだろう。
勿論、残業やノルマの一切を無駄だと切り捨てる訳ではないし、研修が必ずしも必要だとは言い切れない。しかし、そんな環境で定年まで働きたいと思えるだろうか?私は思わない。もっと働きやすい会社はどこかにあると信じている。
「成長したい」という思いは本来尊いものだ。
しかし、世の中には成長という言葉で労働者を酷使する企業もある。
やりがい搾取という言葉が使われて久しいように、成長搾取という言葉もいつか生まれるかもしれない。
仮に、赤字のような成長搾取がはびこるとどのようになるか。搾取される側が疲弊する?それはもちろん。もっと根深いのは、搾取された人間が搾取する側の人間になること。つまり、他の人間にも同じ「成長」を望んでしまうということだ。
搾取の連鎖が続いていくと、それで企業活動が続いてしまう。次から次に成長搾取の餌食が生まれて、ついていけない人は「使えないやつ」の烙印を押されてしまう。「使えないやつ」は自信を無くして、職も無くす。
しかし、私は「使えないやつ」の烙印なんて存在しないと思っている。むしろ、逃げるきっかけを見つけられた幸運な人だと思う。
会社なんていくらでもある。でも、あなたの体は一つだけしかない。
自分の長い人生を考えたとき、ほんの数か月、ほんの数年休んだって大したことじゃない。
ん?金銭的に困るから、そんな簡単に辞められない?
本当に困ったらバイトするなり、誰かに借りるなりしたらいい。今まで頑張ったあなたを見ている人はどこかにいる。誰よりあなたが知っている。お金と体どっちが大事なのよ。というか、辞められない理由って、本当にお金なの?世間体とか自分のプライドじゃないの?
少子高齢化が著しい昨今、もれなく人生は長く続きます。のんびり楽しく生きていきましょう。